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創作探偵笑話

甲賀三郎
  

  見込通り
 病院に這入った強盗「静かにしろ。ジタバタ騒ぐと生命がないぞ。」
 重病患者「御親切に有難う。院長さんにもそう云われました。」

  分らない
 見知らぬ男「大変です! お宅の旦那が自動車に轢かれて病院に担ぎ込まれました。すぐ着物を出して下さい。」
 家人「宅の主人は先程自動車で出かけましたが。」
 見知らぬ男「そ、それです。その自動車にひかれたんです。」

  危機千萬
 短銃を所持せし兇漢「脅しに持っていたんで、へぇ、決して弾丸[たま]など這入ってません。」
 彼を捕えし警官「黙れ、ちゃんと一発込めてあったぞ。」
 兇漢「えっ、一発残っていた! しまった、じゃあ、お前さんを射[う]って終うんだった。」

  何にもならない
 仲間「何を蒼い顔をしているんだい。」
 スリ「さっきね、蟇口をスったんだ。そして内容[なかみ]を抜いて、蟇口だけけえしたんだがね。」
 仲間「上出来じゃねえか。」
 スリ「所が、その、俺の蟇口をけえしちゃったんだ。」

 物は考えよう
 車掌「この切符は穴が違います。」
 乗客「冗談云うない。お前の鋏が違ってるんだい。」


(備考―管理人・アイナット編)≪新字体に変換≫
特になし。